【2019年最新版】金持ちの上位1%の人たちが世界の44%の富を保有している現実について【資産統計データを見ることで世界の真実を知る】

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こんにちは.米国でデータサイエンティストをしているかめ(@usdatascientist)です.

毎年スイスの金融会社Credit Suisseが発表しているGlobal wealth report2019が今年も発表されました.

各国の裕福度やGDPなどの統計値を2009年から発表し,今年で10年目です.世界の富がどのように分布しているのかがわかります.

どのStudyもかなり包括的で非常に興味深いので,今日は詳しくデータを説明したいと思います.

まずはこのピラミッドをみてください.衝撃ですよ.

Source: James Davies, Rodrigo Lluberas and Anthony Shorrocks, Global wealth databook 2019

 

これは,ピラミッド全体の面積が世界の人口(成人)を表していて,資産額に応じて層別になっていて,左に添えられている数字がその層にいる人たちの資産額,右に添えられている数字がその層の総資産額です.

つまり,一番下の層(青で表している部分)は資産が$10k(約110万円)以下の人たちの層で,世界の人口の半分以上を占めます(56.6%). そしてその人たちの資産を全て足し合わせても世界の2%にも満たない(1.8%)のです.世界の半分以上の大人が,110万円も持ってないのです.

逆に一番上の層(濃い青)をみると,$1M(約1.1億円)以上の資産を持つ人たちが世界の人口1%未満(0.9%)で世界の富の43.9%を占めているのがわかります.

成人一人あたりの資産額別に色分けをした世界マップが以下です.

Source: James Davies, Rodrigo Lluberas and Anthony Shorrocks, Global wealth databook 2019

日本,北米,ヨーロッパ,オーストラリアあたりが成人一人当たりの資産が$100k(約1100万)以上となっています.つまりこれらの国は世界で比較的裕福だということです.

逆にアフリカを中心に薄い青で示されているのが一人当たりの資産が$5k(55万円)以下の国です.世界の貧富の差がわかります.

では,それぞれの国別(地域別)に富の割合と人口の割合をみてみましょう.

横軸が世界の富を100分割した値(つまり,一番右の90~100のセグメントは,世界のTOP10%の富を持つ人たち)で,縦軸が人口の割合を示します.

つまり,例えば北米を例にすると,下位10%の層にいる人は世界の全体のおよそ8%は北米の人たちで,逆に上位1%の層にいる人たちの40%近くは北米の人たちということです.

北米の貧富の差が激しいことや,中国の中間層が多いこと,アフリカはほとんど貧困層であることなど,気になるところは色々ありますが,

一番特筆すべきは横軸の90~100の間隔が等間隔でないということです.99~100にかけて大きく分布が変わっているため,この表では99の目盛りを作っています.

つまり,上位1%と2%では,国別の人口分布が大きく異なるのです.なので同じセグメントにはできない.これは世界が今とんでもないくらい極端に富が偏っており,それがしかも特定の地域(北米)に偏っていることを意味します.

下の円グラフは,億万長者(資産額$1M以上)の人の国別割合です.アメリカがダントツ多く,世界の億万長者の40%がアメリカの人たちであることがわかります.

ちなみに,日本は長年2位でしたが,今や中国に抜かれ,3位になっています.

簡単にいうと世界のTop1%の人たちが世界の半分近い資産を持っていてしかもその40%がアメリカの人たちなのです.

日本の現状

日本別の統計をみてみます.成人一人当たりの資産は年々緩やかに増加していることがわかります.

日本はここ1年で成人ひとりあたりの資産が4.0%上昇しました.(同時に円の価値もドルに対して2.7%上昇しているので富という観点でいうとたったの1.3%)

2000年から2010年まで日本はアメリカに次ぐ第2の(国民の)資産大国でしたが,2011年に中国に抜かれ,その後株式市場は長らく不調で不動産も向上せず他の国にくらべ経済が停滞している感が否めない状況です.

アメリカには世界のTop1%の人たちが2千万人近くいるのに対し,日本はたったの339万人しかいません.

なぜこんなに貧富の差があるのか

それは,

お金持ちはさらにお金持ちになるように世界ができているから

です.

お金のある資本家は,そのお金を運用することでさらに利益を得ることができます.お金のない人は資本家の元で労働してお金を得ることになります.

そしてその労働で得る収益の増加よりも,資本をもとに運用した収益の増加の方が大きいことが知られています.

これをよく言われる r > g の法則です.

トマ・ピケティというフランスのめっちゃ優秀な経済学者が執筆した「21世紀の資本」という本で

r : 資本の平均年間収益率(金持ちが得る不労所得の利回りと思えばOKです:rate)

g : 経済の成長(所得の年間増加率と思えばOKです: grouth)

としたとき,rg を上回る.つまり労働収入じゃいつまでたっても資産家よりも金持ちにならない→貧富の差は埋まるどころかどんどん拡大する

ということです.

そしてピケティは本書で,貧困の差を埋めるには金持ちに課税するしか方法はないと言っています.

どうすればお金持ち側になれるか

私はお金持ちじゃないので偉そうなことは言えませんが笑

金持ちという定義にもよりますが,不労所得で食っていくというのを金持ちとすると,これはもう資本家側に行くしかないですね.

ではどうやって資本家側にいくのか.

一番確実で再現性があるのは,

お金持ちになる手順

  1. 収入を増やす:給与をあげる and 副業で稼ぐ
  2. 節約する:浪費と消費を分けて考えて浪費を止める
  3. 守る:税金の仕組みなどを知り,お金を搾取されないようにする
  4. 投資する:株や不動産に投資し,お金を増やす

です.

これをわかっていない人が日本では多い気がします.特に2ができてなくて,給与があがったらその分支出もあげてる人が多いです.

それじゃぁお金持ちにはなれませんね.

あと,よくある間違いなのが投資先にハイリスクのものを取ってしまうこと.仮想通貨やFXなど,もはや投機です.これも絶対やめましょう.(遊びだったらいいと思いますが.)

これらについてはまた別途記事を書きたいと思います.

まとめ

今日は世界の富分布の統計についてみてみました.(元ネタはこちら

具体的な統計値をみることで世界の状況を俯瞰してみることができます.データをみるって,楽しくないですか?

現状ではアメリカに富が集中していて,おそらくこれからも続くと思います.

アメリカで技術者で働くことができれば上述の「1.収入を増やす」をかなりの確率で実現できますし,実は「4.投資をする」面でもアメリカ株に直接投資できるので私は資産の面ではすごくメリットがあると思っています,

でもそれは,家族や友人と離れたり,美味しい日本食が食べられないことなどとのデメリットと引き換えになります.

人生お金が全てではないので,自分にとって一番の居場所はどこなのかを考えながらキャリアを考えるといいと思います!

それでは!!