日本人がアメリカで働く方法まとめ

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こんにちは,米国データサイエンティストのかめ(@usdatascientist)です.

普通に今まで日本で生活してきた日本人が,アメリカで働くにはどうすればいいか

よく聞かれる質問なので,私なりにまとめてみようと思います.

結論からいうと大きく3つあると思います.

  • アメリカの大学を卒業してOPTを取得する(時間はかかるが確実)
  • 日本の大学でPhDを取得し,ポスドクで渡米しグリーンカードを取得する(時間はかかるし運も必要)
  • 日本企業から駐在で派遣される(可能性は高いが永住は難しい)
  • アメリカ 企業の日本支社で働き,アメリカ 本社に異動する(かなりの運が必要)
  • 日本にいながらアメリカ 企業の面接を受ける(非現実的)

それでは,それぞれみてみましょう!

アメリカ で働くにはビザが必要

jackmac34 / Pixabay

あまりピンと来ない人もいるかもしれませんが,アメリカで働くには労働ビザ(か永住権か市民権)が必要です.アメリカ 企業から内定をもらったからといって働けるわけではありません.

この「労働ビザ」をとるのが最近は本当に難しく.年々取りにくくなっています

ビザについてはまた別途記事にしますが,「どうしたらアメリカ で働けるか」=「どうしたらアメリカ の労働ビザを手に入るか」です.

それを念頭に,説明していこうと思います!

アメリカの大学を卒業してOPTを取得する

StockSnap / Pixabay

この方法が一番確実です.

もちろん,大学院でもOKです.学位がとれればOPT(Optional Practical Training :卒業すれば1〜3年アメリカで働ける資格)が手に入ります.OPTがあればおそらくほとんどの企業はビザを理由に採用を躊躇することはないかと思います.

OPT期間中にH1Bという労働ビザに切り替えることでアメリカで半永久的に働くことが可能です.(もちろん,途中でグリーンカードを取得することも可能です.ただ,H1Bは年に一度の抽選なので,OPT期間中になんとしても抽選に勝つ必要があります)

なので将来アメリカで働きたいと思っている学部生や高校生は,アメリカの大学院に進学することを強くお勧めします.

仮に大学院卒業に2年かかったとしても,(法的には)ほぼ確実にアメリカで働くことができます.

また,アメリカ のPhDでは通常給与がでますので,お給料をもらいながら学位を取得し,その後就職するというのもアリですね.

仮にすでに社会人でも,本当に将来アメリカで働きたいのなら,アメリカ のPhDコースにいくのもアリだし,MBAなどの学位を取りにチャレンジするのもいいと思います.

のちほど述べていきますが,アメリカの労働ビザ取得は本当に厳しいので,2年間かける価値はあると思います!アメリカの学位も手に入りますしね

日本の大学でPhDを取得し,ポスドクで渡米しグリーンカードを取得する

もし将来研究者としてのキャリアを歩むのならこれもアリですね.時間はかかりますしある程度の運は必要ですが.(私の周りではこのケースが結構多いかも?)

まず,日本の大学でPhDを取得します.研究者であればそもそも必須なので取りましょう.

研究者であれば研究者ビザ(J1)なるものが申請可能です.このビザがあればポスドクポジションでアメリカのどこかしらの大学で働くことが可能です.そしてJ1期間中にグリーンカードを申請します.

通常,グリーンカードは会社のスポンサーが必要で,会社に所属していないと申請できないのですが,PhDを持っていてかつ論文などの業績がある程度あれば,会社のスポンサーなしでグリーンカードを申請することができます.(しかも結構早く安く確実に取得可能)

今回はビザの記事ではないので割愛しますが,グリーンカードのEB1というカテゴリーかEB2のNIWというWaiverで申請します.興味があるかたはググってみてください.

アメリカは超学歴社会でPhDのような高学歴者が大好きなので,学歴が高いとそれだけビザの観点でめっちゃ有利なんです◎

ただこれは,研究者のとしてのキャリアを歩む人限定だし,ポスドク先を見つける運も必要ですし日本のPhDは基本無給なので大変です...

日本企業から駐在で派遣される

Free-Photos / Pixabay

アメリカで働いている日本人の中で圧倒的に多いのがこれ!

もう9割くらいといってもいいくらいw

2年とか3年っていう限られた期間でアメリカ生活を楽しみたいならこれはいいと思います.

私の周りの駐在の人たちはみんないいマンションに住んで車も支給されて給料も高い,かなりいい暮らしをしています.

ただ,永住できない(帰国の義務がある)のと,会社に日本人がたくさんいてアメリカ感がないのが難点ですねw

また,日本とのテレコンで夜も仕事しなければならない場合も多く,駐在というのは実際結構大変そうです・・

私の周りでも何人か「駐在員として来て,アメリカでアメリカ 人と結婚して永住」というツワモノもいますがw

もしマネージャーという立場で駐在してきた場合,大抵L1Aという転勤ビザでの就労になりますが,L1Aを持っていればグリーンカードをEB1というカテゴリーで申請することができます.EB1というカテゴリーは一番優先度が高いカテゴリーで,最速で8ヶ月ほどでグリーンカードを取得できます.

このように駐在を利用してアメリカ永住を決めるというのはできなくはないです,が,ちょっと計画するには難しいですね・・・

アメリカ企業の日本支社で働き,アメリカ本社に異動する

cegoh / Pixabay

私がベイエリア(サンフランシスコやシリコンバレー)にいた時にこのケースの人が結構多かったです.

そして私もこのケースです.

アメリカ の大手企業(テック業界ならGoogle,Amazon,Microsoftなど)の日本法人に就職し,本社に転勤するイメージです.

この場合,日本法人を退職して,アメリカ 本社で再雇用という形を取るかと思いますが(そうでないケースは駐在扱い),この場合も実は転勤ビザ(マネージャーならL1A,それ以外ならL1B)になります.

ここで注意が必要なのは,大手企業でないとこれはかなり難しいです.

理由は二つあって,

1.日本の社員を本社に移籍させるにはそれなりのコストがかかる

2.中小だとビザが降りないケースもある

社員の国を跨いだ転勤(Relocation)というのは結構コストがかかります.引っ越し代,ビザ代,移民弁護士代,税理士代など・・

当然ローカルでアメリカ人を雇用するのが一番楽だしお金もかかりません.そのコストを払ってでもほしい人材でなければ無理です.

大手ならコストを払ってもRelocationさせてくれますが,中小やスタートアップでは難しいのが実情です.

それとビザについてですが,転勤はL系のビザを取得することになります.このL系のビザというのは普通に取ろうとすると結構難しくブランケットという「頻繁にRelocationをする必要がある大手企業はあらかじめいくつかキープできる」枠があり,ブランケットでないL系ビザの取得は50%くらいで落ちます

そんなリスクを会社が取るわけもないので,このケースでは必然的に「大企業でブランケットをもっている会社」に限ります.

また,そもそもアメリカ本社からすると日本法人の社員は日本で働いてもらった方が会社の利益になると思っている(多分実際そうw)ので,本社への転勤というのは簡単ではありません.そういうプログラムなどが社内にある企業を選びましょう

また,Lビザを取るのに日本法人で最低でも1年の勤務が必要です.

なので入社してすぐ「アメリカ行きたいっす」っていっても「一年後に考える」と言われるでしょう

日本にいながらアメリカ企業の面接を受ける

普通に日本で働きながらLinkedinやGlassdoorで求人をみながら面接を受けて内定をもらうという方法です.

これ,実際かなり難しいです.

私も昔有給をとってアメリカでコーディングのBootcamp(コーディング学校)に通いながら就職活動したことがあります.

が,どんなに自分のスキルや経験があって,会社も「お前ほしい!」ってなっても,ビザの問題があってどうしても採用までいきません.(採用されたとしてもビザの問題でアメリカで働けない)

この場合,H1Bという就労ビザを取ることになりますが,先ほども述べたように,H1Bの取得可否は年に一回抽選(!?)によって決まります.

抽選ですよ!ビザが!

ありえないですよねw 落ちたら一年後また申し込んでね!って言われますw

流れとしてはこうです.

1.面接を受ける⇨2.内定をもらう⇨3.ビザのスポンサーをしてもらう⇨4.アメリカ 国外で働く(日本でリモートで働くとかカナダ等の隣国で働く)⇨5.会社にスポンサーしてもらってH1Bに申し込む⇨受かるまで4.と5.を繰り返す(!!)

きついっっw

1年に一回ですからね,申請できるの.受かる確率は統計出てますが43%(2019年)くらいです.

落ちたらまた一年どこかの国で働く必要があります.

会社からしたらこんなリスクがある応募者に内定を出すでしょうか?金もかかるし.

なかなかH1Bのスポンサーをしてくれる企業というのはないのが実態です.

厳しい・・・

まとめ

確実にアメリカで働きたいなら「アメリカの大学を卒業してOPTを取得する」のがいいかな

まぁできたらアメリカで働きたいけど働けなくてもいいやっていう人は「アメリカ企業の日本支社で働き,アメリカ本社に異動する」という選択肢をとって,チャンスを探すのがいいかもしれません.

「日本にいながらアメリカ 企業の面接を受ける」というのはお勧めできません.労力もかかるので,もしPhDをお持ちなら「ポスドクで渡米しグリーンカードを取得する」っていうコースを狙ってみるとか,PhDもってなかったらアメリカのPhDコース狙ってみる方がまだ確実です.

長くなりましたが,最後まで読んでいただきありがとうございます.

自分はずーーーーっと「アメリカで働きたい」と思って外資系企業でチャンスを伺ってました.

チャンスを待っているだけではダメで,自分から動くことで念願のアメリカ本社勤務を実現することができました.

もし今アメリカで働きたいという人,とにかく動いていろんな人に話を聞いてください

本記事で紹介したケース以外にも方法はありますし,人の数だけケースがあります.

Twitter(@usdatascientist)でアメリカ勤務のことなどつぶやいていますので,ぜひフォローしてくださいね!

それでは!