こんにちは,米国データサイエンティストのかめ(@usdatascientist)です.
下の記事で私の英語力の推移とおすすめ勉強法の概要を紹介しました.
今回は基礎編3. 英文法の勉強方法について紹介します.基礎編1. 発音 基礎編2.単語についてはそれぞれの記事を参照ください.
さて「英語が話せる」とはどういう状態なのかというと
「正しい発音」で「正しい単語」を「正しく並べる 」ことができることだと思います.これが全てです.これ以外ありません.
「正しい発音」については基礎編1. 発音を参照して習得してください.
「正しい単語」については基礎編2.単語で語彙力を磨きましょう.ただ,単語だけ勉強してても話せるようにはならないので,文法と平行してやりましょう.
そして,本記事では「正しく並べる」ために必要な英文法の勉強方法を紹介します.
目次
英文法の勉強なくして正しい英語は喋れません
これ,勘違いしてる人が多い(と,少なくとも僕は思う)のが「文法なんてできなくても会話できる」と言っている人が多いです.
私の友人にもたくさんいます.おそらくこの手の主張は「日本の英語教育は文法ばっかやって,会話の練習してないから全然しゃべれるようにならない」→「文法は無駄」という理論だと思います.
自分もそう思ってた時期がありました.大学院に入学してから無理にでも英語を話さなければならない状況に置かれて,だんだん喋れるようになった頃に「英文法なんて勉強しなくても話せるじゃん,文法ばっか勉強して無駄だったなぁ」と
しかしこれは最初の1~2年くらいだと思います.すぐに壁にぶつかります.簡単な文法と同じフレーズをただ使い回すだけの英会話しかできず,知的さもなければ会話の幅も広げられず,これで深く長い人間関係を構築するのは難しいです.
現在米国の現地企業で現地採用として働く身として,「文法は20才を過ぎた非ネイティブに残された語学習得の唯一の希望」だと実感しています.
小さい子供は語学の習得スピードが早いです.彼らは文法を習って英語を習得したのではなく,私たちが日本語を身につけたように,日々の生活の中で自然に習得しています.
ネイティブが文法を学ばずとも母国語を習得したからといって,非母国語の習得に対してもそれを当てはめてしまうのは大間違いです.小さい子供が言語を習得するのと,成人が言語を習得するのとは訳が違います.
成人は子供より,「論理的思考力」が高いです.成人が言語を習得するのにはこの「論理的思考力」を使う以外方法は無いと思ってください.これが唯一,子供に勝りうる言語習得の道具です.発音も単語も,日頃の生活で英語に触れていた方が習得も早いと思います.
しかし,英文法に関しては本での学習で十分に上達が可能です.練習すれば,非ネイティブがネイティブより綺麗な文を書くことができます.
ライティングに関してのみ,非ネイティブがネイティブを上回ることができる英語スキルだと思います.
うちの職場でも,ライティングに関してはネイティブより信頼できる非ネイティブの人がたくさんいます.
英文法は僕ら非ネイティブに残された唯一の希望なんです.これを勉強しないで「英語の上達」を目指すのはLINEが使えるのに文通しているようなものです.
文法だけはネイティブを越えることができます.知識ですからね.
英文法の学習法→基本は文法本を読む
英文法の学習方法は,基本的には文法本を読むのがベストです.知識として入れていきましょう.
しかし,英文法の本を読んでいっても,その文法に出会ったり使わないと忘れていきます.
ディクテーションや英会話で習った文法を使っていくのがいいです.TOEFLのライティングを勉強している人は,ライティングの勉強の中に入れていくのがベストです.洋書を読み進める中で,文法を意識して読むことも有効です.
とにかく使う.なんども使って自分のものにするしかないです.
ディクテーションや英会話に関しては応用編でまとめますので,本記事ではおすすめの英文法を紹介して,その本をどうやって学習するかにフォーカスします.
おすすめ英文法の本
今まで自分はいろんな英文法を試してきましたが,「本当に良本」と思えるのは以下に紹介する2つのみです.
特に「一億人の英文法」がおすすめです.もうこれ一冊でいいんじゃ無いかなと思います.私は最近もうこの本でしか勉強してません.
一億人の英文法
600ページ以上ある本で,重要な文法についてはほぼ全部網羅していてかつ,ネイティブが文を組み立てる時にどういう思考で組み立てるのかを詳しく説明してくれています.
このボリュームで2000円ですよ...本って本当に素晴らしいですね.
アメリカに来てからこの本のことを知って「絶対欲しい」と思って帰国した時にすぐさま本屋に行って買いました.結果,買って正解.実際に英語で話す際に役立つ考え方が満載でした.
この本は,他の英文法の本のように「ただ文法の説明と例文」をタラタラ書いているのではなく,「ネイティブがその文法・構文を使う時にどういうイメージなのか」を書いてくれています.
例えば以下の3つ文.
1.その体育教師は学生を雪の中走らせた
2.看護師に君の足に包帯をさせますね
3.僕が娘に入れ墨をさせないものだから,娘が怒ってるんだよ
日本語ではどれも「させる」ですが,ニュアンスはどれも違いますよね?
英語では1.はmake, 2.はhave, 3.はletです.この本によると,makeは無理矢理にでもその状況を作るイメージ,haveは単にそういう状況を持つイメージ.letはそのまま「許す」です.
この本では「日本語訳がたまたま同じ訳になっているだけのこと」とのこと.
文を組み立てる時,単語を選ぶ時,ネイティブはどういうイメージでその単語を選び並べているのかをこの本で学習することができます.おすすめです.
勉強の仕方は,基礎編2.単語の単語帳の勉強法で説明したようなやり方でいいと思います.
まずはザーッと一通り読みましょう.例文や細かいコラム,Advancedな箇所は飛ばしていいと思います.読んでいくと,「こんなの知らなかった」とか「こんな考え方があるんだ」といった箇所が出てくると思うので,そういったところにマークをして,再度詳しく見ていくのがいいと思います.
あと,世界的に有名な英文法本「Grammar in Use」シリーズもおすすめです.
Grammar in Use Intermediate
私が大学院の頃,同じ研究室の留学生のおすすめで購入して以来愛用してました.めちゃくちゃAmazonの評価高いですね・・・世界中でベストセラーになった文法本です.
全て英語で書かれているので,「英文法の勉強をしている間も英語に触れたい!」というストイックなあなたには是非w
とても読みやすく,易しい英語で書かれているので問題なく読めると思います.(英語を学習する人向けに書かれているので当然ですが・・)
レベルはIntermediateの他にもElementaryとAdvancedがあります.
Grammar in Use Elementary
Grammar in Use Advanced
私は文法が苦手なのでElementaryから始めました.Advancedは持っていません.Intermediateでも結構知らなかったことが多かったので,Advancedまでは必要ないかなと思います.
英語で何かを学ぶことに慣れていない人は,Elementaryから入るといいともいます.おそらくTOEIC700以下くらいの人や文法が苦手な人はElemenataryからやったほうがいいと思います.
この本のいいところは「こういう状況のときにこういう風にいうよ」と,端的に教えてくれるところです.
説明が簡潔なのと,「気になるところ,間違いやすいところ」にフォーカスをして,各単元が1ページにまとめられているのでわかりやすいです.
例えばCould と was able toの違いではこのような説明をしています.
We use could for general ability. But if you want to say that somebody did something in a specific situation, use was/were able to or managed to (not could):
Compare:
-Jack was an excellent tennis player when he was younger. He could beat anybody. (= he had the general ability to beat anybody)
-Jack and Ted played tennis yesterday. Ted played very well, but Jack managed to / was able to beat him (= he managed to beat him this time)
The negative couldn’t (could not) is possible in all situations
こんな感じです.例文が本当にわかりやすいし,気になるところ(「couldn’tは?」)も端的に解説してます.(これに加えて他にもいくつか例文がありましたがはしょりました.)
Editionによりますが,私のEditionだと見開き左側に説明,右側にExcercises(問題)があります.
Excercisesは特にやらなくていいと思います.左側の説明で,知らなかった箇所などに印をつけて,オンライン英会話などで使うようにするといいと思います.(オンライン英会話についてはこちらでまとめてます.)
文法本だけの学習にならないように注意
「文法本だけ読めば文法は完璧!」とはなりません.学んだ文法はどんどん使っていきましょう.
もし仕事で英語を使う機会があるなら,当然どんどん使っていくのがいいと思います.
そうでない人は,オンライン英会話を活用しましょう.オンライン英会話の活用方についてはこちらでまとめてます.
洋書を読むのもおすすめです.基礎編2.単語でも洋書について触れています.Kindle Unlimitedにも洋書があるので見てみてください!
文法本を読んだだけだと忘れますからね!
あまりお金をかけたくない人はKindle Unlimitedで学習
先ほど紹介した本は,2000〜4000円程度しますが,そこまでお金をかけたくないっていう人は,Kindle Unlimitedに登録して英語の教材を読むのも手です.
Kindle Unlimitedは,月額990円で200万冊以上の本がkindleで読み放題のサービスです.
Kindle Unlimitedにはたくさん英語の本があります.文法を学べる本もたくさんあります.(文法本はかさばるので,Kindleに入れておくのも◎)
英語の教本だけでなく,洋書もたくさんありますし,英語のみならず漫画や雑誌も読めるので,おすすめです.
30日無料体験やっているので,ひとまず登録して読める英語教材を読んでおくのが一番お金がかからない方法だと思います.
まとめ
今回は英文法のおすすめ教材を紹介しました.
特におすすめなのが「一億人の英文法」です.悩んだらこれを買えばいいと思います.
文法本での勉強は必須です.単語もそうですが,洋書を読んだり洋画や海外ドラマをみるだけではなかなか文法は身につきません.一度体系的に文法本で学ぶことが結局近道だと思います.
あと,文法本ばかりに時間を使うのではなく,ある程度文法本での学習を進めたら合わせて洋書を読んだり,ディクテーションをすることでさらに文法の学習を加速することができます.ディクテーションについては別途記事を書きます,洋書についてはKindle Unlimitedで色々読めるものがあるので試してみてください.
それでは!