こんにちは,米国データサイエンティストのかめ(@usdatascientist)です.
よく「アメリカのエンジニアは初任給で年収1千万」「データサイエンティストはそれよりも高い」という話を聞きます.
そもそも本当なのか?そして,本当だとしたらなぜなのか
なぜ日本のエンジニアの給与はあがらないのか
これについて考察したいと思います.
結論からいうと
- アメリカは物価が高いので給与レンジは自然と高くなる
- アメリカでは大学での学びはそのまま職場で生かされるという文化
- 世界でビジネスをしているので金額の規模が大きい
それではそれぞれみていきましょう
目次
アメリカは物価が高いので給与レンジは自然と高くなる
これ,ほんとにビビりますよ.
普通にラーメン一杯1700円とかしますからねw
サンフランシスコやNY,ボストンなどのいわゆるテック業界が集まる場所では家賃10万円で住めるところなんてないです.最低でも20万はしますね.
そんなところで日本の給与レンジで生活できないんです.
これは感覚ですが,独身なら最低でも年収800万〜 夫婦なら年収1200万〜はないと生活できないと思います.
日本とアメリカのインフレ推移です.2012年までしかないですが,2012年以降もおんなじ感じです.アメリカは毎年2〜3%物価が上昇し続けているのに対し,日本はずっとデフレ,時々1%くらいの物価上昇があるくらいです.
通常物価上昇に合わせてある程度給与は上がっていきます.ここ20年でアメリカと日本でかなりの差がでてしましました.
なので「アメリカのデータサイエンティストは年収2千万円!」とか煽る感じの記事をみますが,日本の感覚での年収2000万とは違いますのでご注意ください.(国も通貨も違うので「いくらくらい」というのは難しいですね)
なので,エンジニアに限らず全体的にホワイトワーカーは日本より給与が高いと思っていいでしょう.
アメリカでは大学での学びはそのまま職場で生かされるという文化
日本のイメージだと大学生=遊んでいるというイメージが蔓延してますよね.
それは自分が大学生のとき遊んでたので,卒業して社会人になって大学生を見ると「遊んでる」と見てしまうのだと思います.
「大学院にいく」=「働きたくないからモラトリアム期間を伸ばす」のように捉える人が多いです.
ましてや博士過程に行こうものなら「社会人になることを放棄している」かのような目を向けられ,「扱いにくい」という理由で企業に採用されなくなる.
私は日本のテック企業が伸びない一つの原因はこれが理由だと思ってます.
アメリカでは,大学で学ぶことは専門的なものであり,その分野のPhDは専門家の称号になります.そのため,当然ある分野で働くならその分野の学位が必要です.
日本みたいに文系出身でエンジニアになるというケースはほとんどないです.(最近だとそれだと人材不足でブートキャンプ出の人とかもいますが)
私の会社のデータサイエンティストチームは基本PhD採用で.さらにいうとコンピュータビジョンの経験が必要です.
大学でやっていることが直結するのがアメリカ,大学でやってきたことをあまり考慮されないのが日本.
どっちがいいとか悪いとかはないと思いますが,やはりアメリカではエンジニアになるにはそれなりの知識やスキル,学位を必要とされるので狭き門ですしそれだけ給料が高くなります.
一方日本は初心者でもエンジニアになれる環境が用意されていて,門戸は広く開かられてはいますが,学位を持ってても持ってなくても給与はあまり変わらないのが現実です.
世界でビジネスをしているので金額の規模が大きい
日本のテック企業で世界でビジネスできてる会社って,そんなに多くないですよね.
自動車産業はかなりグローバルにやっているイメージですが,例えば日本の再大手ITの楽天なんかはアメリカで知っている人は少ないでしょう.アメリカの企業は最初から「将来的にはグローバルで売り上げをだす」ことを念頭に動いています.
これはVCの投資金額を見てもあきらか.スタートアップの社員の給与はVCから調達からまかなわれますが,日本では正直スタートアップの社員は安い給料で長時間ファウンダーと一部の株主のために働かされているのが現状ですが,アメリカだとスタートアップでも十分な給料をもらえ,ストックオプションは少なくても成功したときのあたりが青天井なので日本よりかは給与は高くでますね.
まとめ
アメリカのエンジニアの給与が高く,データサイエンティストはそれ以上に高い
これは事実です.なぜならエンジニアというのは専門職であり,大学でコンピュータサイエンスを学んでいる人でないと就けないから.
こちら参考までに↓
データサイエンティストになるためにはプログラミングの知識に加え数学や機械学習等のさらに高度な知識が必要になり,そのjobの多くがPhDホルダーです.
需要が上がり続ける一方,データサイエンティストになれる人というのは限られています.
技術者,研究者でキャリアを積んでいくつもりなら,アメリカ就職を目指してみるのもありだと思います!
本ブログでは私の経験をもとにアメリカで就職するために必要な英語力やスキル,VISAのことなどを記事にしていく予定です.Twitter(@usdatascientist)もやっていますのでお気軽にフォローください〜
それでは!